経済

戦略コンサルタント仕事の本質と全技法|本の要約・まとめ・感想

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戦略コンサルタント仕事の本質と全技法

「頭の知性」×「心の知性」×「プロフェッショナル・マインド」を鍛える最強のバイブル

(このページは2020年6月16日に更新されました)

はじめに

「トレンド本や名著をかいつまんで、要約・まとめを知りたい。」

「本を買う前に、実際に読んだ人の感想を知りたい。」

この記事はそんな方へ向けて書いています。

記事の作成者は、『SNS時代のリアルな居場所』として価値観を共有できるライフシフト読書会を毎週開催しております。

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戦略コンサルタント仕事の本質と全技法 まとめ

戦略コンサルタントが一流になるための条件とは?

1.戦略コンサルタントは、独立した客観的な立場から、クライアントの変革を支援する。

  • アウトサイダーだからこそ、客観的な合理性が担保され、変革を加速することができる。

2.コンサルタントは、変革において「触媒」の役割を担う。

  • その変革シナリオを描く際にこだわるべき点は、次の5つである。
  1. 適社性:クライアントに最適な、「勝てる戦略」を導く
  2. ファクト(事実):数字などのファクトはもちろん、自ら現場に出向いて、データに表れていないファクトも集める
  3. 概念化・構造化・言語化:これら3つのスキルを駆使して、問題の解決策を適切な言葉で表現する
  4. 膝詰め:クライアントと膝を突き合わせ、徹底的に議論する
  5. 現場:戦略を実行する「現場力」のレベルを理解した上で、戦略の方向性を検討する

3.戦略コンサルタントは、クライアントを「その気にさせる」ために、2つの任務を遂行しなければならない。

  • その遂行に当たっては、次のような知性を働かせる必要がある。
  1. 変革の方向性を定める→頭の知性(IQ、考える力)
  2. 変革に向かわせる→心の知性(EQ、感じる力)

4.戦略コンサルタントが「一流の触媒」になるための条件は、上記の2つの知性(IQ、EQ)と、「プロフェッショナル・マインド」(プロとしての自覚)を持つことである。

これら3つの条件は、次の式で表すことができる。

頭の知性×心の知性×プロフェッショナル・マインド=「一流の触媒」

戦略コンサルタント仕事の本質と全技法 要約

戦略コンサルタントの歴史

米国で生まれた戦略コンサルタント

世界最古のコンサルティング会社として知られるのは、「アーサー・D・リトル」(ADL)である。

ADLが産声を上げたのは1886年。マサチューセッツ工科大学のリトル博士が、化学者ロジャー・グリフィンと組み、「グリフィン&リトル」を立ち上げた。その後、グリフィンが事故で亡くなり、1909年ADLに改称した。

ADLと並ぶ古株の戦略コンサルティングファームが「ブーズ&カンパニー」である。ノースウェスタン大学で学んだエドウィン・ブーズが、1914年に立ち上げた。その後、ジェームズ・アレンとカール・ハミルトンが加わり、「ブーズ・アレン・ハミルトン」(BAH)と改称された。

「マッキンゼー&カンパニー」は、1926年、ジェームズ・O・マッキンゼーによってシカゴで産声を上げた。3年後にA・トム・カーニーがパートナー(共同経営者)として参画するが、その後、カーニーは分離独立し、A・T・カーニーを設立する。

マッキンゼーと並び称されるボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の設立は1963年だ。ADLに勤めていたブルース・ヘンダーソンがスピンアウトし、ボストンでBCGを立ち上げた。

戦略コンサルティングファームといえば米国系が圧倒的に多い中、異彩を放つのが、ドイツを起源とするローランド・ベルガー(RB)だ。BCGでコンサルタントをしていたローランド・ベルガーがミュンヘンに戻り、1967年に立ち上げた。

会計事務所系コンサルの台頭

経営コンサルティングサービスを提供しているのは、戦略コンサルティングファームだけではない。その代表格が会計事務所である。

第2次世界大戦後、アーサー・アンダーセン、アーサー・ヤングを筆頭にした大手会計事務所は、会計監査とは別に、コンサルティング部門を抱えていた。中でも、コンサルティング部門の強化に熱心だったのがアーサー・アンダーセンだ。

1989年には「アンダーセン・コンサルティング」(AC)として分社化され、2001年、ACは社名を「アクセンチュア」へと変えた。

アクセンチュアが勢力を拡大する一方、他の会計事務所系はエンロン事件以降、コンサルティングの仕事から遠ざかるようになっていった。しかし、2008年のリーマンショックを境に、会計事務所系は再度コンサルティング業務の強化に動き始めた。

アーンスト&ヤング(EY)、デロイト・トウシュ・トーマツ(DTT)、KPMG、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の4社へと再編された4大会計事務所「BIG4」は、潤沢な資金力をもとに、比較的小粒のコンサルティングファームを買収し、傘下に収めていった。

2012年にはEYが9社、デロイトが17社、KPMGが10社、そしてPwCが7社を買収している。まさに「大が小を飲み込む」という構図だ。そして、巨大ファームが誕生する一方で、マッキンゼーやBCG、ベイン、ローランド・ベルガーなども少数精鋭のプロフェッショナルファームとして確固とした存在感を保っている。

戦略コンサルタントの仕事の本質

戦略コンサルタントは「変革のプロ」である

実際に私自身が携わった事例で見ていこう。

業界準大手の消費財メーカーB社に、競合相手のX社が提携の話をもちかけてきた。X社は、B社と同等規模の準大手。国内市場の成長が見込めない中で、準大手同士が過当競争をするよりも、手を組めるところは組んだ方が得策と考え、B社にアプローチしてきたのだ。

そのB社の社長から、提携話をどのように進めるべきか、アドバイスが欲しいと依頼があった。

こうした他社との提携、あるいは新規事業開発、業務改革などの事案は、自分たちだけで進めるのが「あるべき姿」と考える人もいるかもしれない。にもかかわらず、なぜ、コンサルタントに支援を要請するのか。

それは過去の延長線上にはない「不連続の変革」に立ち向かおうとしているからだ。

過去の経験に基づいて対処できることなら、自分たちだけで対応できる。だが、B社の置かれた状況はそうではない。未経験の変革に彼らは挑もうとしている。

こうした時こそ、アウトサイダーの存在が不可欠である。独立した客観的な立場からの助言や後押しがあるからこそ、客観的な合理性が担保され、変革を加速することができるのだ。

プロフェッショナルたらしめる「3つの要素」

戦略コンサルタントの仕事は、次の3つの要素によって成り立っている。これらの要素は、3つ揃って初めて価値を生む。どれか1つが欠けていても、クライアントに大きな付加価値をつけることはできない。

①独立性

戦略コンサルタントは、独立した「外部」の人間である。そこには何の「しがらみ」もない。

クライアントがより良い会社になるためにどうあるべきかだけをひたすら考え、提言する。

米国企業には「社内コンサルタント」という仕事があるが、いかに優秀でも、社員として評価される立場になれば、しがらみから自由とは言えない。

外にいるからこそできること、外にいないとできないことがある。たとえ小さくとも、独立しているからこそ大きな付加価値を生むのである。

②客観性

私たちの最大の武器は「説得力ある客観性」である。

客観的な立場で、何がクライアントにとって最も合理的かを問い続ける。当事者ではないからこそ、本当に大切なものは何かが見えてくる。

③専門性

戦略コンサルタントは、クライアントを変革に導くための戦略シナリオの策定、その実行についての専門的な知見をもっている。「変革のマネジメント」こそが、私たちの中核的ナレッジである。

「一流の触媒」のこだわり

戦略コンサルタントの仕事をひと言で定義すれば、それは「触媒」である。

触媒とは、一般に「それ自体は変化しないが、特定の化学反応の反応速度を速める物質」を指す。触媒として私たちが加わることによって、クライアントにおける「化学反応」が加速し、変革が実現するのである。

では、触媒として変革の実現を支援するプロセスにおいて、大切なことは何か。それは、物事の本質を見抜き、シンプルだが骨太の変革シナリオを描き、実現することだ。

そのために私がこだわっている点は、次の5つである。

①「適社性」にこだわる

「適社性」とは、クライアントに最も適したロジックに基づき、「勝てる戦略」を導き出すことである。

つまり、「一般解」ではなく「個別解」を追い求める。適社性の高い戦略は、その会社の特性に適合したものであり、実行可能性が高い。

②「ファクト」にこだわる

ロジックを組み立てる際に不可欠なものが、「ファクト」(事実)である。ファクトというと、多くの人はデータ(数字)をイメージするかもしれない。

確かに、データは極めて有効な「武器」だ。しかし、それだけに依存するのは危険である。データはファクトの重要な一部だが、全部ではない。データに表れていないファクトにこそ、未来を探るヒントが隠されている。

自ら現場に赴き、集めた断片的なファクトからロジックを組み立てる。それが、真の差別化につながるのだ。

③「概念化・構造化・言語化」にこだわる

クライアントが抱える問題の解決策を思いついても、それを適切に表現できなければ、クライアントには伝わらない。その際に、コンサルタントに求められるのが、次の3つのスキルである。

  • 概念化

自らの意見、アイデアを「1つのまとまったコンセプトに整理する」こと。

意見をシンプルだが本質を突いた説得力のある骨太の主張、コンセプトに落とし込み、まとめ上げる力が必要である。

  • 構造化

自らの意見やアイデアの合理性、妥当性を示すために、ファクトやエビデンス(証拠)といった裏付けを「構造的、体系的に示す」こと。

これによって全体像が明確になり、説得力が高まる。

  • 言語化

自らの意見やアイデアを「最適な言葉で表現する」こと。

いくら価値ある主張でも、通り一遍の陳腐な言葉で述べられたのでは、相手に響かない。

④「膝詰め」にこだわる

いかに優秀な人間でも、自らの頭だけで考えていたのでは限界がある。だから、私はクライアントと徹底的に議論すること「膝詰め」にこだわってきた。

まさに膝と膝を突き合わせ、徹底的に議論を戦わす真剣勝負の場である。

究極のコンサルティングは「主観と主観のぶつかり合い」だと私は思っている。触媒の真の付加価値は、膝詰めの議論から生まれる。

⑤「現場」にこだわる

どれほど理詰めの戦略を策定しても、それが実行され、結果を生み出さなければ、価値はない。

戦略実行の過程では、数々の困難や壁にぶつかる。そうした局面でこそ、「現場力」の真価が試される。現場自らが知恵を絞り、粘り強く壁を突破していけるか。それとも、壁を打ち破れずに頓挫するか。変革の成否はそこで明らかになる。

だから、私は戦略の「実行可能性」を重視する。クライアントの現場に赴き、現場力のレベルを理解した上で、戦略の方向性を検討する。

「一流の触媒」になるための条件

「変革のプロ」に求められる2つの任務

クライアントをそのきにさせるために、次の2つの任務を遂行しなければならない。

①変革の方向性を定める→頭の知性(IQ、考える力)

「変革の方向性を定める」ために必要となるのが、「頭の知性」、つまりIQである。

論理的、分析的にものを考える、徹底的に理詰めで最適解を導くなど、「左脳的知性」が求められる。

②変革に向かわせる→心の知性(EQ、感じる力)

変革の方向性を定めた上で、クライアントを「変革に向かわせる」ために重要となるのが「心の知性」、つまりEQである。

頭の知性が「考える力」だとすると、心の知性は「感じる力」と言える。クライアントの感覚や感情、情緒を鋭く知覚し、それに寄り添いながらコントロールするEQの高さ、つまり「右脳的知性」が必要となる。

いくら合理的な解を導いても、クライアントに「やってみよう!」と思わせられなければ、触媒としてのミッションを果たしたことにはならない。

プロフェッショナル・マインド(プロとしての自覚)

さらに厄介なのは、IQとEQは独立したものではなく、行ったり来たりしながら進めるべきものだということ。使い分けるというよりも、2つを同時に使いこなしながらバランスをとり、クライアントを「その気にさせる」ことが必要である。

では、どうしたら「その気にさせる」ことができるのか。カギは、「プロフェッショナル・マインド」(プロとしての自覚)にある。

戦略コンサルタントはサービス業である。「クライアントに成功してもらいたい」という「ピュアなサービス精神」を常にもち、その実現のために自分の「役回り」を正しく認識し、その役割に徹することがプロフェッショナル・マインドだ。

つまり、一流の触媒になるための3つの条件は、次のように表すことができる。

頭の知性×心の知性×プロフェッショナル・マインド=「一流の触媒」

どんなにIQやEQが卓越した人でも、プロフェッショナル・マインドが欠けていれば、一流の触媒にはなりえない。アウトサイダーとしてすべきことを常に認識し、何としてでもクライアントの変革を実現させる。そうしたプロフェッショナリズムこそが、クライアントを動かすのである。

戦略コンサルタント仕事の本質と全技法 感想

私も、曲がりなりにも戦略をになうポジションで4年半コンサルタントを経験してきた。

始めに持っていたイメージはファクトに基づく研究者的なイメージを持っていたが、それは単なるアナリストであり、一流のコンサルタントは皆、顧客を変革に向かわせられるEQを備えていた。

顧客にいくら素晴らしい提案をしても、実行されなければその提案に価値はなく、実行に移すまでがコンサルタントの役目であると感じる。

さいごに

当記事を書かせていただきました、長谷川と申します。

私は大阪、神戸、京都でライフシフトサロン読書会を開催しております。

読書会のいいところは、SNSでつながる時代に、リアルな居場所を持てるということ。

関西で生き方・働き方でつながるコミュニティを探されていらっしゃるあなたの参加をお待ちしております。

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