働き方

サイコパス|中野 信子|要約・まとめ・感想

サイコパス

中野 信子

(このページは2020年2月12日に更新されました)

サイコパス はじめに

「トレンド本や名著をかいつまんで、要約・まとめを知りたい。」

「本を買う前に、実際に読んだ人の感想を知りたい。」

この記事はそんな方へ向けて書いています。

記事の作成者は、『SNS時代のリアルな居場所』として価値観を共有できるライフシフト読書会を毎週開催しております。

関西の読書会で本の感想をアウトプットしたい方はこちら

サイコパス 目次

  • はじめに 脳科学が明らかにする「あなたの隣のサイコパス」
  • 1章 サイコパスの心理的・身体的特徴
  • 2章 サイコパスの脳
  • 3章 サイコパスはいかにして発見されたか
  • 4章 サイコパスと進化
  • 5章 現代に生きるサイコパス
  • 6章 サイコパスかもしれない

サイコパス 著者
中野 信子
脳科学者。東日本国際大学特任教授、横浜市立大学客員准教授。

1975年生まれ。 東京大学工学部卒業、同大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。

医学博士。2008年から10年まで、フランス 国立研究所ニューロスピン(高磁場MRI研究センター)に勤務。

著書に『脳内麻薬人間を支配する快楽物質ドーパミンの 正体』(幻冬舎)、『脳はどこまでコントロールできるか?』(ベストセラーズ)、 『脳・戦争・ナショナリズム近代的人間観の超克』(共著・文藝春秋)ほか。

サイコパス まとめ

もともとサイコパスとは、連続殺人犯などの反社会的な人格を指した。

しかし近年、脳科学の進歩により必ずしも冷酷な殺人犯ばかりではないことが明らかになった。

大企業のCEOや弁護士などにサイコパスが多いという研究結果もある。

ある研究によると、顔の横幅の比率が大きい男性ほど、サイコパスである可能性が高い。顔は、男性ホルモン(テストステロン)濃度が高いほど横に広くなる。そして、テストステ

ロンの分泌が多いと、競争心や攻撃性が高まるという。

出世した人間にはサイコパスが多い。彼らは高いプレゼンテーション能力を有し、巧みに人の心理を操る。一方、経営管理やチームでの作業といった地道な仕事は苦手である。

シリコンバレーの起業家に求められる気質は、サイコパスの性質と合致している。それは、次の3つの特性である。

  1. 常にスリルを求め、次々に変化が起こる状況に惹かれる
  2. ルールを重視せず、ラフな意思決定が許される状況を好む
  3. 他人を利用し、仕事をさせることが得意である

サイコパス 要約

はじめに 脳科学が明らかにする「あなたの隣のサイコパス」

ありえないようなウソをつき、常人には考えられない不正を働いても、平然としている。

ウソが暴かれ、衆目に晒さらされても、恥じるそぶりさえ見せない。

それどころか、「自分は不当に非難されている被害者」であるかのように振る舞う。

昨今、こうした人物が世間を騒がせている。

見過ごせないのは、この種の人間を擁護し、「決して悪い人じゃない」などと好意的な反応をする人が少なからずいることだ。

そうした人たちは、きっと知らないのだろう。

彼/彼女らが、高い確率で「サイコパス」だということを

1章 サイコパスの心理的・身体的特徴

残虐な殺人を繰り返したサイコパス 歴史的に、サイコパスは犯罪と結びつけられて語られてきた。

では典型的なサイコパスの姿とは、具体的にどんなものか。

ここでは、代表的な犯罪者としてランディ・クラフトを紹介しよう。

カリフォルニア出身のランディは、IQ129(東 大生の平均が120)で、学校の成績もよく、大学卒業後はITコンサルタントとして働いていた。

一方でランディは、連続殺人犯でもあった。

夕暮れ時に自動車を運転しながら10代後半~20代前半の男性に狙いをつけ、拾った男性にクスリを混ぜた飲み物を飲ませて意識を喪うしなわせ、同性愛の性行為を楽しむという性癖を持っていた。

時には相手をレイプしたあげく、殺害して遺体を車外に投げ捨てることもあった。

ランディはそうした残虐な殺人を12年間で64回も繰り返した。

残虐な殺人を犯した翌朝も、彼は平気な顔をしてオフィスに出勤していた。

この異様なまでの冷静さと、殺人鬼と好青年の間を平然と往き来できることこそ、サイコパスの特徴である。

 

アメリカでは全人口の4% もともとサイコパス(psychopathy)とは、連続殺人犯などの反社会的な人格を指す診断上の概念で、日本語では「精神病質」と訳されてきた。

ところが近年、脳科学の進歩により、サイコパスは必ずしも冷酷で残虐な殺人犯ばかりではないことが明らかになっている。

大企業のCEOや弁護士など、大胆な決断をしなければならない職種の人々にサイコパスが多いという研究結果もある。

カナダの犯罪心理学者ロバート・ヘアによれ ば、男性では全人口の0.75%がサイコパスだとされる。

また、心理学者マーサ・スタウトは、サイコパスはアメリカの全人口の4%にも上るという。

彼らは、私たちの周囲に紛れ込んでいるのだ。

サイコパスの特徴研究により、サイコパスの特徴については様々なことがわかっている。

 

サイコパスを見た目で判別するドイツの研究グループが、成人男性と、少年院に収容されている男性を対象として、顔の形状 (顔の縦と横の長さの比率)を調査した。

すると、横幅の比率が大きい男性ほどサイコパシー傾向が高い、という結果が出た。

つまり、顔が細長い男性よりも、横幅がある男性の方がサイコパスである可能性が高いということだ。

これについては、次のような仮説が考えられる。

男性ホルモン(テストステロン)濃度が高いほど、顔は横に広くなる傾向がある。

そして、テストステロンの分泌が多いと、競争心や攻撃性が高まることが証明されている。

一方、サイコパスには強い暴力性があるから、テストステロンの分泌量と何らかの関係があると考えられている。

心拍数とサイコパスの相関関係サイコパスには、外見以外にも身体的な特徴がある。

例えば心拍数。心臓の鼓動と反社会性には相関関係があることが、実験からわかっている。

心拍数がもともと低く、しかも上がりにくい人の方が、反社会的行動を取りやすいという。

なぜ心拍数が低いことが、暴力や反社会性につながるのか?

いくつかの仮説がある。例えば人を階段から突き落とす、万引きをするなど、モラルに反する行動をする時、一般の人間は心拍数が上がる。

心拍数が上がると、不安感情が喚起され、パニック状態になったりする。

 

そのシグナルによって、「こんなことをしてはいけない」と感じ、その行動を止めようとする。

つまり心拍数の変化が、「このままやって本当に大丈夫なのか?」という抑制をかけるわけだ。

しかし、モラルに反する行動を取ろうとしても心拍数が上がらない人は、「こんなことしちゃだめだ」というブレーキが働きにくい。

そのために反社会行動を取りやすくなる、といえそうだ。

サイコパスには犯罪者だけでなく経営者や弁護士が多いということも、この点を考えると納得がいく。

聴衆を前にしたプレゼンや法廷での弁論など、普通の人なら緊張して実力が発揮しにくい場でも、心拍数が上がらなければ冷静に行動できる。

2章 サイコパスの脳

次に、近年急速に発展している脳科学の観点から、サイコパスの脳の働きを見ていこう。

サイコパスをあぶりだすために、「道徳ジレンマ」の実験を行うことがある。

例えば、あなたが外科医だとしよう。心臓、肝 臓、腎臓など、それぞれ別の箇所の臓器移植を必要としている患者が目の前に5人いる。

そこに身元不詳の青年が 1 人やってきた。

もしこの青年の臓器を5人に分け与えれば、5人が生きられる。

1人を殺して5人を助けるか、1人を助けて5人を見殺しにするか。どちらにするか?

こうした道徳ジレンマを与えると、普通の人は「健康な人を殺すなんて…」と葛藤するものだ。

一方、サイコパスはためらいなく、1 人を殺す方を選ぶ。

その方が合理的な判断だと考えるからだ。

ここまで極端な例でないにしろ、似たようなケースはいくらでもある。

例えば、弱者切り捨てになるような政策を「合理的だから」として容赦なく推進し、反対派を徹底的に非難する人々には、 そうした傾向があるのかもしれない。

サイコパスは道徳によって判断することはない。

「合理的なのだから、それが正しい」と考える。

そう答えることで、自分がどんなバッシングを受けるかは、予測する能力を持たない。

あるいは予測できても、実感としては「なぜ皆があれこれ言うのか」がわからない、といったものになる。

英国オックスフォード大学実験心理学部教授のケヴィン・ダットンは、共感には感情を伴う「熱い共感」と、計算ずくの「冷たい共感」がある、と言う。

サイコパスには冷たい計算はあっても、 熱い共感はないのだ。

 

恐怖を感じにくい脳では、なぜ、熱い共感を持ち得ないのか。

fMRI(核磁気共鳴機能画像法)と呼ばれる装置を用いて脳の働きを測定すると、サイコパスは脳の「扁桃体」と呼ばれる部分の活動が一般人と比べて低いことが明らかになっている。

扁桃体は、大脳辺縁系(快感や喜び、恐怖といった情動を司る領域)の一部である。

耳より上の奥側にあたる領域で、左右両側に1つずつある。

扁桃体は人間の快・不快や恐怖といった基本的な情動を決める場所である。

私たちは何か美味しいものを食べたりすると「快」と感じるが、こうした情動を司っているのがこの部分だ。

また、ヘビを一度も見たことがないサルや新生児でも、ヘビもしくは細長くてニョロニョロと動く物体を見せると怖がる。

こうした生得的な恐怖の感覚も、扁桃体の働きによるものである。

扁桃体を手術で取り除くと、食べられないものでも口に運んだり、以前は恐れていた動物やヘビなどに平気で近づいたりするようになる。

つまり「サイコパスは扁桃体の活動が低い」ということは、恐怖や不安など、動物が本来持っている基本的な情動の働きが弱い、ということだ。

このようにサイコパスの脳では、恐怖や不安といった情動よりも理性・知性が働きやすい。

だとすれば、一般人が異様に感じるほど合理的な結論を選ぶ、という理由も納得がいくのではないか。

現代に生きるサイコパスでは、現代において、サイコパスはどんな生き方をしているのだろうか。

5章 現代に生きるサイコパス

米国の産業心理学者ポール・バビアクによれば、「出世した人間にはサイコパスが多い」。

ということは、サイコパスは仕事ができるのでは?と思うかもしれないが、必ずしもそうではない。

サイコパスが、高いプレゼンテーション能力を持つことは確かだ。

相手が喜ぶことを言って巧みに心理を操る、あるいは逆に相手の弱みを見つけて揺さぶる…そうした話術は得意である。

一方、サイコパスは経営管理やチームでの作業は苦手である。

彼らは誠実さを欠き、批判されてもピンとこない。だから平気で仕事を先延ばしにしたり、約束を破ったりする。

しゃべりは得意で存在感はあるのだが、よくよく精査してみると、意外と業績は低いことも少なくない。

つまり、口ばかりうまくて、地道な仕事はできないタイプが多いというわけだ。

 

ただ、起業家としてのセンスを持つ勝ち組サイコパスも存在する。

なぜなら彼らは、リスキーなことに踏み出す力があり、アイデアやビジョンを魅力的に語る能力に長たけているからだ。

例えばアップルの共同創設者の1人、スティーブ・ジョブズは、世界で最も洗練された勝ち組サイコパスだったのではないかと考えられる。

彼は卓越したコンピュータの知識があるわけでもなく、実務的なビジネススキルさえ持ち合わせていなかったが、天才的なプレゼンとネゴシエーションの才能によって全世界の人々を虜にした。

一方で、アップルの元技術者や妻子に対する容赦のない振る舞い、追い詰め方は相当なものだったことが知られている。

利用できると感じた人間 には「すばらしい」と言ってすり寄り、しかし、 利用し終わった人間や対立した相手には舌鋒鋭く攻撃し、古い知り合いを切り捨てていった。

下級エンジニアとして働いていた若い頃、ジョブズは与えられた仕事をこなせず、友人のスティーブ・ウォズニアック(後のアップルコンピュー タ共同創設者)にやらせたことがある。

ウォズニアックは難なく仕事をこなし、その対価としてジョブズは 5000 ドルもの報酬を手にした。ところがジョブズは「報酬は700ドルだった」 とウォズニアックにウソをつき、彼に半額の350ドルを渡し、残りはすべて自分の懐に入れてしまったのだ。

アップルが成功して組織が大きくなり、ルーチンワークが多くなってくると、細かい事務作業や労務管理、地道な人間関係の信頼を築くことなどが重要になってくる。

しかし、そのような組織は肌に合わなかったのか、ジョブズはアップルを追放された。

そしてアップルが危機に陥った時、再びジョブズが必要とされたのだ。

 

シリコンバレーの起業家に求められる気質は、 サイコパスの性質と合致している。

先述の産業心理学者バビアクは、“起業家のふりをしたサイコパス”の特性を3点にまとめているが、それを見れば一目瞭然である。

  1. 彼らは変化に興奮をおぼえ、常にスリルを求めているので、様々なことが次々起こる状況に惹かれる。
  2. 筋金入りの掟破りであるサイコパスは、自由な社風になじみやすい。杓子定規なルールを重視せず、ラフでフラットな意思決定が許される状況を利用する。
  3. 自分で仕事をこなす技量よりもスタッフに仕事をさせる能力が重視されるリーダー職は、他人を利用することが大得意なサイコパスにもってこい。

 

スピードが速い業界では、メッキが剝がれる前に状況やポストが次々変わっていくことが幸いする。

サイコパスは状況がどれだけ混乱していても、冷静でいることが可能である。

皆が自信を喪失している状況の中でも、自信満々に振る舞う。それを評価する人は多いだろう。

こうしたサイコパスの特性を考えると、面接ばかりを重視した採用試験や大学のAO入試には、 問題があると言わざるをえない。

過剰に魅力的で、確信をもって堂々と話をするサイコパスばかりが通る試験になりかねないからである。

サイコパス 感想

テレビアニメ「サイコパス」の人気とともに、一般的な認知をされるようになったサイコパス。

その多くは、犯罪の世界にしか一見関わりのないように感じるが、実はビジネスの世界にも関係があるものなのだと知る機会になった一冊。

最近では、村田沙耶香さんの小説「コンビニ人間」もサイコパスの話であったり、一般的に目にする機会が多い。

変化の速い現代において、サイコパスの特性は一見すると評価されやすいのかもしれない。

そして、スティーブジョブスの様にそのサイコパスの特性で成果を上げてた事業家がいる事実を踏まえて参考にすべき点は自分自身に取り入れたい。

さいごに

当記事を書かせていただきました、長谷川と申します。

私は大阪、神戸、京都でライフシフトサロン読書会を開催しております。

読書会のいいところは、SNSでつながる時代に、リアルな居場所を持てるということ。

関西で生き方・働き方でつながるコミュニティを探されていらっしゃるあなたの参加をお待ちしております。

社会人の学び直しって孤独…。

MUPに挫折した、やりたいことが見つからないあなたの”最初の一歩”をお手伝い!

初めての方は、下記よりお申し込みください。担当者からご連絡を差し上げます。

個別相談をご希望の方、ZOOM参加希望の方は、『その他お問い合わせ』にその旨を記載ください。

開催日程 (必須)

お名前 (必須)

ご年齢 (必須)

メールアドレス (必須)

その他お問い合わせ(個別相談、ZOOM参加の方はこちらに記載ください。)

コメントを残す