経済

ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式|要約・まとめ・感想

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ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式

山口 周

(このページは2019年9月11日に更新されました)

ニュータイプの時代 はじめに

「トレンド本や名著をかいつまんで、要約・まとめを知りたい。」

「本を買う前に、実際に読んだ人の感想を知りたい。」

この記事はそんな方へ向けて書いています。

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ニュータイプの時代 まとめ

望ましい人材要件は、その時代における社会の構造やテクノロジーによって異なる。

これまで高く評価されてきた、従順で、論理的で、勤勉で、責任感の強い「優秀な人材」は今後「オールドタイプ」として価値を失う。

一方、自由で、直感的で、わがままで、好奇心の強い人材「ニュータイプ」が、今後は大きな価値を生み出し、評価されるだろう。

ニュータイプの時代 目次

1 章 人材をアップデートする6 つのメガトレンド

2 章 ニュータイプの価値創造

3 章 ニュータイプの競争戦略

4 章 ニュータイプの思考法

5 章 ニュータイプのワークスタイル

6 章 ニュータイプのキャリア戦略

7 章 ニュータイプの学習力

8 章 ニュータイプの組織マネジメント

ニュータイプの時代 要約

人材をアップデートするメガトレンド

どんな変化が「オールドタイプ」から「ニュータイプ」へ優秀な人材の条件のシフト促すのか?

それは、次の6つのメガトレンドだ。

  1.  飽和するモノと枯渇する意味
  2.  問題の希少化と正解のコモディティ化
  3.  クソ仕事(意味のない仕事)の蔓延
  4.  社会のVUCA化
  5.  スケールメリットの消失
  6.  寿命の伸長と事業の短命化

① 飽和するモノと枯渇する意味

今の時代、ほぼあらゆるモノを手に入れられる一方で、多くの人は欠落感を抱えている。

何かが満たされていない、本質的に重要なものが抜け落ちているような感覚がある。

物質的な欠乏という課題がほぼ解消された世界で、人はいかにして「生きる意味」を見いだせばいいのか。

この問題を最初に指摘したのは、ドイツの哲学者ニーチェである。

ニーチェは、現代人が「意味の喪失」という問題に陥り、ニヒリズムに捉えられることを予言している。

ニーチェは、ニヒリズムを次のように定義している。

「何のために、という問いに対して答えられないこと」、つまり「意味が失われた状態」こそが、ニヒリズムの本質だという。

私たちは「モノが過剰で、意味が希少な時代」を生きている。

このような時代にあって、相も変わらずに「役に立つモノ」を生産し続けようとするオールドタイプは価値を失う。

その一方で、希少な「意味」を世界に対して与えるニュータイプは、大きな価値を生み出していくことになる。

④社会の「VUCA」化

「VUCA」とは、今日の社会を特徴付 ける4つの形容詞の頭文字を合わせた言葉だ。

V = Volatile(不安定)

U = Uncertain (不確実)

C = Complex(複雑)

A = Ambiguous(暖味)

社会における「VUCA化の進行」は、私たちがこれまで「良い」と考えてきた様々な能力やモノゴトの価値に大きな影響を与える。

例えば、「経験の無価値化」。これまで私たちは「経験豊富」という要件を無条件にポジティブに評価してきた。

しかし、環境がどんどん変化していくと、過去の経験が無価値になる。

このような世界では、過去の経験に頼ろうとする人は人材価値を減損させる。

一方、新しい環境から柔軟に学び続ける人が価値を生み出す。

あるいは、「予測の無価値化」。これまで何かを行う時、中長期的な予測をもとに計画を立てることが「良し」とされた。だが、社会が不安定、不確実になると、「予測の価値」が減損していく。

このような時代にあっては、計画を実直に実行するという行動様式はリスクが大きい。

今後は、とりあえず試し、結果を見ながら微修正を繰り返す、いわば「計画的な行き当たりばったり」によって、変化する環境に対して柔軟に適応していくことが求められる。

このように、「VUCA な世界」では、変化していく環境に対してどれだけしなやかに適合できるかという「柔軟性の度合い」が重要になってくる。

⑥寿命の伸長と事業の短命化

今日、先進国の平均寿命は伸長傾向にあり、近い将来、「寿命100年」という時代がやってくる。

一方、事業は短命化の傾向にある。例えば米国のS&P500の構成企業の平均寿命は、1960年代には約60年だったが、今日では20年足らずしかない。

米国を代表するような企業の平均寿命が、今日では20年に満たないのだ。

今や企業の平均寿命よりも、人が現役として働く期間の方が長い。つまり、多くの人は、人生の途上において複数回のキャリアチェンジを余儀なくされる、ということだ。

私たちは「この道一筋」といったことを礼賛しがちだが、変化の速い世界でそのような価値観に囚われるオールドタイプは危うい。

一方で、これまで「腰が据わらない」と批判されてきたような生き方、つまり、何が本業なのかはっきりしないままに複数の仕事に関わるようなキャリアを志向するニュータイプこそ、柔軟でしたたかなキャリアを歩んでいくことになるだろう。

ニュータイプの価値創造

では、上述のメガトレンドにより、具体的にどのような人材要件のシフトが起きるのか?

これまで、社会では「問題を解決できる人」が高く評価された。

社会は、常に多くの不満・不安・不便という「問題」に苛まれていたからだ。

しかし今後、こうした「問題解決に長けた人」 は、オールドタイプとしてその価値を失う。モノが過剰に溢れる世界になり、日常生活での不満がほぼ解消され、「問題が希少」になったからだ。

これからのビジネスでは、ボトルネックとなる問題をいかにして発見し提起するかがカギになる。 この「問題を見いだし、他者に提起する人」こそが、ニュータイプとして高く評価されるだろう。

では、どうすれば問題を見いだせるのか。

問題解決の世界では、問題を「望ましい状態と現在の状況が一致していない状況」と定義する。「望ましい状態」と「現在の状態」に差があること、これを問題として確定するということだ。

従って、望ましい状態が定義できない場合、問題を定義することもできない。

つまり「ありたい姿」を描けない人は、問題を定義することができない、ということだ。

ニュータイプとは、常に自分なりの「あるべき理想像」を思い描いている人のことだ。

自分なりの理想像を構想することで、目の前の現実と、そのような構想とを見比べ、そこにギャップを見いだすことで問題を発見していくのだ。
つまり、ニュータイプになるためのカギは、「社会や人間のあるべき姿を構想する力」なのだ。

未来は予測せずに「構想」する

問題が希少化する世界にあっては、「未来を構想する力」が大きな価値を持つ。

なぜなら、問題とは「あるべき姿」と「現状」とのギャップであり、あるべき姿を思い描くには必ず「未来を構想する力」が必要になるからだ。

「未来をどうしたいのか?」が重要

しかし、昨今のビジネス現場では「予測=未来はどうなるか」という論点が議論されるばかりで、より重要な「構想=未来をどうしたいか」という論点はないがしろにされがちである。

今、私たちが暮らす世界は偶然の積み重ねでできているのではない。

どこかで誰かが行った意思決定の集積によって今の世界はできている。同様に、未来の世界は、今この瞬間から未来までの間に行われる人々の営みにより決定される。

であれば、本当に考えなければいけないのは、「未来はどうなるのか?」ではなく、「未来をどうしたいのか?」という問題であるべきだろう。

人工知能に奪われる仕事を考えても仕方がない

例えばここ数年、様々な論者や研究機関が「人工知能に奪われる仕事は何か」という予測を行ってきた。

2013年、オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授らの研究グループが 「20年後、米国の雇用者の47%が機械によって代替される」という分析結果を公表している。 だが、こういった予測は実際には当たらない。

人工知能という汎用性の高いテクノロジーが実用になりつつある今、私たちが問うべきなのは、 「人工知能を人間が手にしたことで、私たちにどのような可能性が開けるのか」という問いだろう。

過去の歴史を見れば、テクノロジーの進化が功罪相半ばするものだということは否定できない。

テクノロジーの危険性を指摘して社会への実装を牽制しようという動きもあるが、過去の歴史を振り返れば、そのような営みは結局、すべて失敗に終わっている。

つまり、私たちはテクノロジーの進化にブレーキをかけることはできない。

であれば、私たちはオプティミストになるしかない。
「誰が仕事を奪われるか」などという予測をして、その予測に振り回されても仕方がない。このように不毛な予測に一喜一憂しているオールドタイプは、環

境変化に引きずり回されるだろう。
一方で、進化するテクノロジーを用いることで、現在の社会が抱える課題をどのように解決できるかを考えるニュータイプは、大きな豊かさを生み出していくことになるだろう。

ニュータイプの競争戦略

今後、市場の分散化・多様化が進むと見られる。だが、この予測については反論があるかもしれない。

GAFAなどのグローバルプレイヤーが市場を一色に塗りつぶしつつあり、むしろ市場の多 様性は減殺され、「勝者総取り市場」になると。

「勝者総取り」の議論

勝者総取り市場が議論されるようになったのは 1990年代のことだ。

経済学者のロバート・フランクとフィリップ・クックは、世界中で勝者総取り市場への転換が進んでいることを指摘した。

その理由として「絶対評価」から「相対評価」への変化を挙げている。どういうことか?

左官職人を例にとって考えてみよう。1日に100個のレンガを積める職人と、90個のレンガを積める職人がいる場合、市場が健全に機能していれば、前者が100の報酬をもらう時、後者は90 の報酬を得る。これが「絶対評価」の市場だ。

対照例として、検索エンジンの開発者を考えて みよう。

一番優れた検索エンジンの開発者と2番目に優れた検索エンジンの開発者を比較した時、 例えば前者の検索エンジンのパフォーマンスを100として、後者が90だという時、報酬がその比率になることはない。

市場で生き残れるのは最も優れた検索エンジンだけで、2番手以下は市場から敗退することになる。これが「相対評価」の市場だ。

つまり、フランクとクックは、市場が「絶対評価」から「相対評価」へと変化することで、「勝者総取り」が進行すると考えたわけである。

「意味がある」市場では多様化が進む

しかし、それぞれの市場にはそれぞれの特性がある。実際には、「寡占化が発生しやすい市場」と「寡占化が発生しにくい市場」とがある。

では、どのような市場特性が、寡占化と多様化を分けることになるのか。

フレームワークを用いて考えよう。このフレームでは、顧客に提供している2つの価値軸に沿って市場を整理する。

すなわち「役に立つ・立たない」(機能的便益の有無)という軸と、「意味がある・ない」(情緒的便益の有無)という軸だ。

結論から言えば、勝者総取りが発生するのは「役に立つ・意味がある」象限になる。

わかりやすいのが ICチップだ。ICチップの評価は単純にコストと計算能力で決定される。「職人が精魂を込めている」といった意味的な属性は製品の評価にまったく組み入れられない。結果として、勝者総取りという事態が発生する。

一方、「意味がある」市場では多様性が生じる。

例えばコンビニの棚は厳密に管理され、ハサミなどの文房具はほとんど1種類しか置かれていない。

そんな中、1品目で 200種類以上取り揃えられている商品がある。タバコだ。

なぜそういうことが起きるのかというと、タバコは「役に立たないけど、意味がある」からだ。

マールボロを愛飲している人にとって、マールボロという銘柄は代替不可能なのだ。

人が感じる意味は多様なので、銘柄もまた多様になるわけだ。

これが「役に立つ」と「意味がある」の市場特性の違いだ。

このような二極化が進行する世界において、すべての企業は「役に立つ」という市場において熾烈な戦いに身を投じるか、「意味がある」という市場で独自のポジションを築くかの選択を迫られることになる。

ニュータイプの時代 感想

大前健一がダニエルピンクの「ハイコンセプト」を翻訳し、10年が経過した。

10年前からいわれていた時代の変化が具体身を帯びてきた昨今、ニュータイプの時代が私たちに語っている思考・行動様式のアップデートは必須といえる。

しかしながら、令和時代にいまだに昭和の組織文化を持っている日本企業に所属していると、周りの環境に依存して未だ本書が伝えてるメッセージをリアリティを持って理解するのは難しいかもしれないと、最近いろいろな人とかかわる中で感じる。

時代のトレンドに合わせて自分自身をアップデートすること。新しい市場には先駆者が折おらず、年功の利がないことをチャンスと捕らえてチャレンジしようと考えている人にとっては、これからの時代の指南書になる。

ニュータイプの時代 さいごに

当記事を書かせていただきました、長谷川と申します。

私は大阪、神戸、京都でライフシフトサロン読書会を開催しております。

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