経済

たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング|要約・まとめ・感想

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たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング

西口 一希

(このページは2019年7月12日に更新されました)

顧客起点マーケティング はじめに

「トレンド本や名著をかいつまんで、要約・まとめを知りたい。」

「本を買う前に、実際に読んだ人の感想を知りたい。」

この記事はそんな方へ向けて書いています。

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顧客起点マーケティング まとめ

顧客起点マーケティングとは、1人の顧客を深掘りする画期的なアイディアである。

そして1人の顧客の意見を聞き、その顧客を徹底的に理解し(N1分析)、人の心を動かせる商品、サービスの魅力や請求(アイディア)を見つける概念である。

定量的なアンケート調査や統計分析は、仮説の絞り込みには有効であるが、人の心に訴えかけることはできない。

顧客起点マーケティングでは「顧客ピラミッド(5セグマップ)」のフレームワークが基本となる。

顧客起点マーケディングでは「ロイヤル顧客/一般顧客/離反顧客/認知・未購買顧客/未認知顧客」に分類し、N1分析をする。

N1分析では、顧客の購買行動の根本理由を見つけることが重要であり、多くの場合は顧客も認識していないものである。

顧客起点マーケティングで最も重要なのは、アイディアが「独自性」、「便益」である。

顧客ピラミッド(5セグマップ)では、「行動データ」「心理データ」の両面を分析する必要がある。

N1分析の結果、思いがけない事実に出会う時、それがアイディアの手がかりとなる。

顧客起点マーケティング 要約

顧客起点マーケディングの全体像

1人を深掘りして、深層心理のニーズを掴む

顧客起点マーケティングとは、1人の顧客を起点に、商品やサービスの新たな可能性を見つける概念である。

顧客起点マーケティングでは、1人の顧客を徹底して理解することから有効な打ち手を導き出し拡散展開し、対象とする顧客セグメントの人数や構成比の動きを見ることで、マーケティング投資の効果検証をする。

1人の顧客の意見を聞くことを「N1分析」、N1分析を通じてみつかる、人の心を動かせる商品・サービスの魅力や訴求を「アイディア」と呼ぶ。

定量的なアンケート調査や統計分析では、仮説の絞り込みやコンセプトの検証には有効だが、人の心に訴えて行動を起こしてもらうだけの強度のあるアイディアは生まれない。

しかし、無造作に選んだ1人の話を聞けば良いかというとそういうわけではない。

顧客全体の人数や構成比を正しく把握するために、顧客を5つのセグメントに分類する「顧客ピラミッド(5セグマップ)」のフレームワークを用いる。

さらに、これにブランド選好度の軸を加えた「9セブマップ」がある。

これらのフレームワークを活用し、特定の顧客セグメントから1人を抽出してN1分析を行い、購買行動を左右する深層心理のニーズを掴んでアイディアを開発し、打ち手を検討する。

N1を絞り込む意義

なぜ、顧客を1人(N1)を深掘りする必要があるのか。その意義は何か

強いマーケディング戦略を作る上で、N1を起点とする顧客起点マーケティングはN1000として1000人を対象とするよりはるかに重要である。

例えば、誰かにプレゼントを贈る時、あなたの妻か夫1人に贈るのと、あなたの同僚、同級生20人に贈る場合では、どちらが相手に喜ばれるプレゼントを選ぶことができるだろうか。

当たり前のことだが、複数人に送る場合、何を喜んでまうかを想像しにくい。

深く理解しているたった1人へのプレゼントであれば、趣味嗜好や何を持っているかを考えることで、本人が想定する以上のプレゼントを選べる可能性が高くなる。

顧客起点とは1人1人を見ること

顧客の購買行動の背景には、必ず何かのきっかけがあり、それは行動を追うだけではわからない。

N1分析で重要なのは、購買行動を左右している根本的な理由を見つけることである。

それは多くの場合、顧客自身も明確に認識できておらず、直接理由を聞いても答えられないし、答えても真実ではない。

購買行動に直結している理由は、その顧客が「購入しているブランドが自分にとって特別な便益をもたらしてくれる」と心理的に認識するに至ったきっかけである。

ほとんどの場合、1人の顧客の心理を変えるきっかけは1つに集約される。

なんらかのコミュニケーションや体験を通じて、そのブランド独自の魅力的な便益を認識して初めて購入した、つまり顧客化した時の重要なきっかけ、ロイヤル化した重要なキッカケをN1分析で見つけることができる。

一般的な統計学では、分析において有意差を出すために一定の規模の回答数(=N数)が求められる。

しかし、アイディア創出のために有効な調査は統計学とは違う。

大まかな傾向を知るには一定のN数が必要だが

大量の調査をすれば良いアイディアが生まれるというのは誤解である。

N=多数の調査から得られるのは平均値であり、最大公約数でしかない。

これでは、人の心を捉える商品開発もマーケティング活動も難しい。

誰も強く否定しないが、誰も強く支持しない、あたり感触のない提案を繰り返すことになる。

「絞りこみとニッチ化する」の誤り

しかしながら、1人の顧客に注目することを懸念する人は多い。

ほとんどの人が「ニッチすぎて市場が狭い」と絞り込みを躊躇する。

しかし、商品やサービスの多くは「特定の誰か1人を喜ばせること」が起点となっている。

その特定の誰かが、それを作った本人だったりする。

「自分が欲しいものを作った」というエピソードは、商品開発でよく目にする。

徹底的にN1に絞り込むから「強い独自性と便益=プロダクトアイディア」を生み出せるのである。

絞り込まないから平均的な提案や企画しか打ち出せず、鳴かず飛ばずの結果しか得られないのである。

マーケティング「アイディア」とは何か

「独自性」と「便益」を兼ね備えたアイディアがあるかどうか。

これが顧客起点マーケティングで最も重要な要素である。

独自性とは、他にはない特有の個性である。

便益とは、顧客にとって都合がよく、利益のあることを意味する。

そして顧客起点マーケティングにおいてアイディアには大きく分けて「プロダクトアイディア」と「コミュニケーションアイディ」がある。

「プロダクトアイディア」とは、商品やサービスそのものに独自の機能や特徴があり、具体的な便益があることである。

例えば、波型で厚みのあるポテトチップスは、その独自性自体が「食べ応えがあっておいしい」という便益につながっているが、星型のポテトチップスには便益がなく、継続購買は起きにくい。

「コミュニケーションアイディ」とは、プロダクトアイディアを対象顧客に伝え、購買行動を起こしてもらうためのコミュニケーション自体のアイディアを意味する。

これも、独自性と便益との組み合わせで成り立つ。

コミュニケーションの独自性とは、広告などにおけるクリエイティブの独自性を示す。

便益は、広告を受け止める対象顧客が便益を受け取れることを意味する。

広告自体が楽しいといったプラス要素をもたらすことである。

例えば、ソフトバンクCMの「犬のお父さん」などがある。

マーケティング戦略を構築する

顧客ピラミッドの意味

顧客起点マーケティングでは「顧客ピラミッド(5セグマップ)」のフレームワークを活用したN1分析とアイディア創出がその根幹となる。

顧客ピラミドは、「ロイヤル顧客/一般顧客/離反顧客/認知・未購買顧客/未認知顧客」の5つのセグメントに分類する方法である。

顧客ピラミッドを作成すると、上位2つの購買セグメントの大まかな年間売上貢献を把握できる。

行動データと心理データの分析

顧客ピラミッドを活用して、各セグメントの顧客分析を行う。

この分析で重要なのは、顧客の「行動データ」と、その行動の理由となっている「心理データ」の両面を分析することである。

行動データは、POSデータ、ロイヤル会員カード情報などがある。

また、インターネット上の行動(Eメール開封率、返信率など)も含まれる。

行動データはその分析を通じて、最適なタイミングで最適なマーケティング提案を行うことで売上や利益に貢献する。

心理データの種類

しかし、行動データ分析だけでは不十分であり、その行動を左右する「心理的理由」を探る必要がある。

そこで、心理データー分析が必要となる。

心理データとは、顧客の頭の中にある認知やイメージ、態度などの心理状態を対象とする。

例えば、「ブランドの認知(ブランド名を知っているか)」、「ブランド選好度(そのブランドを買いたい、使いたいと考えているか)」、「属性イメージ(どのような機能属性イメージや便益イメージを感じているか)」などがある。

N1起点の分析とは

顧客を5セグメントに分類し、それぞれの行動と心理を分析したら、セグメントごとに具体的な顧客1人1人に焦点を当てたN1分性を行う。

そのセグメントに属する顧客個人の生活態度、習慣、購買行動から購買に関連する認知や心理を理解し、それぞれの結びつきを探っていく。

理解したいことは、「いつ、どのようなきっかけで、ブランドを知ったのか/買ったのか/ロイヤル顧客化したのか」である。

そのきっかけとなったカテゴリー体験や、商品やサービスの体験、ブランドメッセージとの出会い、なんらかの特定の情報認知などが、アイディアを創出する大きなヒントになる。

N1から発想する分析の実践

N1分析は、顧客セグメントに応じて理解すべき目的を明確にしておけば難しくない。

ロイヤル顧客であれば、ブランド認知・使用注意・購買意向を持ったきっかけを時系列で開き、現在使用の実態・満足/不満足、競合ブランドへの認識、好きな点嫌いな点を聞けば良い。

一般顧客にも同様に聞いて、ロイヤル顧客とのギャップがどこにあるか、そのギャップが生まれた原因を探る。

認知・未購買顧客や未認知顧客には、まずブランドの説明を行い、プロダクトアイディアやコミュニケーションアイディア自体に魅力を感じないのか、単に伝わっていないのかを確認する。

さらに、ロイヤル顧客が評価している商品の良さを話して反応を見れば、どんなきっかけを提供すれば顧客化するかの可能性が見えてくる。

手始めにロイヤル顧客層で10人ほど実行すれば、なぜロイヤル化したのか、なぜ使い始めたのかのきっかけが見つかる。

さらに一般顧客や認知・未購買顧客や未認知顧客のセグメントでN1分析を続けて、ロイヤル顧客層で得られたきっかけがそれ以外の層では出て来なければチャンスとなる。

その事実やコミュニケーション内容をプロダクトアイディアとして、N1インタビュー時に「こういう提案があったらどうか」などと尋ね、複数人から好意的な反応があれば大きなリターンが見込める可能性がある。

「カスタマージャーニー」の抽出

ロイヤル顧客のN1分析をしていけば、認知から顧客化、ロイヤル化までの変遷がわかる。

1人ずつ個別のカスタマージャーニー、即ち顧客の購買に至るまでのプロセスを、時系列で描いて、こちらの想像の範疇にない、異質な体験や認知形成を見つけることが重要である。

同時にその背景にある心理状態、どう感じたか、なぜそう感じたのかを理解することが大切である。

「アイディア」の創出

ロイヤル顧客10人にN1分析を行い、1人1人のカスタマージャーニーを描けば、ブランドとの初めての出会い、認知、初回購買(使用)、継続購買、購買頻度の変化が十人十色で見える。

ピラミッドで言えば、下の層から上の層へどう移行していったかがわかる。

それは広告訴求だったり、使用体験であったりするが、重要なのはどんなアイディア=独自性と便益を感じ取ったかである。

N1インタビューで思わずおどろく、信じがたいと思えるような事実がその手がかりである。

アイディアの手がかりは、これまで見聞きしたことのないような使用目的や使用方法、商品に関する個人的な経験や心理状態にある。

ここから独自性を抽出し、そこで得られる便益を示すことでアイディアとなる。

戦略変更も選択肢の1つ

活用可能なアイディアが見つからない場合、商品開発部などと連携し、新商品開発、あるいは商品改良を行う必要がある。

もはや独自性もないのに、マーケディング部門だけでなんとかしようと、これまで同様のコミュニケーションアイディア(テレビCMのイメージのみ)で戦おうとするケースがあるが、効果がない可能性が非常に大きい。

短絡的に動かず、N1分析を基本に、効果の望めるプロダクトアイディアとコミュニケーションアイディアの創出に取り組むのが望ましい。

顧客起点マーケティング 感想

顧客起点マーケティングと聞くと、新しいマーケディングの手法と感じるが、内容はペルソナマーケティングの手法を応用したものである。

ペルソナマーケディングを日本国内で見渡すと、SNSなどを活用しだ個人のインフルエンサーや、多額の広告費を支払えない中小企業(飲食、美容等)が活用している印象がある。

日本の大手企業も人口減に伴い製品が売れない時代だからこそ、今までのマスマーケディング以外の活路を見出す必要があり、その活路としてペルソナマーケティングに注目が集まっているのだと感じた。

そのニーズに伴い、ペルソナマーケティングを顧客起点マーケティングとして企業向けに翻訳しなおした良書。

また、多くのペルソナマーケディング関連書と違い、顧客起点マーケティングは論理的に分かりやすくまとめられている為、論理的に考えて戦術として活用しやすい一冊である。

顧客起点マーケティング さいごに

当記事を書かせていただきました、長谷川と申します。

私は大阪、神戸、京都でライフシフトサロン読書会を開催しております。

読書会のいいところは、SNSでつながる時代に、リアルな居場所を持てるということ。

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